福岡県立太宰府高等学校同窓会「宰会」の皆様には、日頃から本校の教育活動に対しまして多大なるご支援とご協力を頂いておりますことに心より感謝申し上げます。

 さて本校は今年度、創立40周年を迎えました。宝満山を臨む小高い丘の上に緑に映える本校の白い校舎は、本当に太宰府のこの地、高雄地域を象徴する風景の一つとなっています。

 校内各所を飾る芸術科の生徒たちの作品は、年々前年度よりも数が増え、校長室の入口や室内にも、昨年度は無かったオブジェが置かれています。

 実は校長室内のオブジェは、私が芸術科の先生に「何か生徒の作品を置いて欲しい」と頼んで置いてもらったものです。言わば私の我儘で校長室に来ることになったオブジェですが、壁際の長机の一角で存分に存在感を放っています。

 また、本校入口の長い坂を登りきるあたりの歩道には、8本のソメイヨシノの若木が風に枝葉を揺らしています。この8本のソメイヨシノは今年の3月、株式会社伊藤園様と公益財団法人日本さくらの会様から寄贈頂いたものです。

 本校は、令和3年8月の豪雨により、入口の坂上部の谷側の法面が崩落し、道路の一部と桜並木の一部を失うという災害に見舞われました。以来、道路の復旧はなされたものの、桜は失われたままでした。今年3月に生徒会執行部の生徒たちと一緒に植樹し、4月の入学式の頃には8本の若木がそれぞれ数輪の花を咲かせてくれました。

 風にそよぐソメイヨシノの若木のしなやかさは、今年度、40周年記念のキャッチコピーとした「40年の歩み、今、新たな始まり」を象徴しているように思います。

 昨年度は、7月に入口の坂の電柱3本が倒れ2本が傾くという、予想もしなかった災害が発生し、夏休みを通して生徒の登校を停止する事態となりました。原因は老朽化ということでした。早朝5時頃の発生で、人的被害がなかったことだけが幸いでしたが、40年の歳月を実感させられた出来事でもありました。

 今、ソメイヨシノの若木のしなやかさを思いながら、40年の歴史の上に新たな歩みを始める決意を固めています。

 今年度もご支援のほどよろしくお願い致します。

福岡県立太宰府高等学校 校長 執行 暢